日本初のレンタカー
いうまでもなく、これらは、すべてコストを発生させる。
そして、少なからぬ企業で、これらのコストは物流活動で発生したのだから、物流コストだと位置付けられている。
しかし、これらのコストは、発生源の活動の結果として生まれている。
そして、物流部門では、発生源の活動について何も口を挟むことはできないという状況にあったとしたら、果たして、これらのコストは物流コストなのであろうか。
ここで、ちょっと遠回りになるかもしれないが、そもそも物流コストとは何かという点について検討しておきたい。
物流管理のあるべき姿という点で極めて重要なポイントと思われるからである。
改めて物流コストとは何かを考える物流部門はどこまで物流をコントロールできるかさて、物流コストとは、そもそも何を指すのであろうか。
これまで物流コストというと、一般的には「輸送、保管、流通加工など物流の諸活動にかかわるコストの総称」という理解が当たり前と思われていた。
現に、かつての運輸省や通産省などの主導で出された物流コスト算定に関する報告書では、物流コストは輸送費、保管費、荷役費などの機能別に分解されて計算されている。
それらをベースにしていることもあり、日本ロジスティクスシステム協会などが定期的に行っている物流コストに関する調査でも、物流コストは同じような区分で計算されている。
ただ、このとらえ方は物流にどれくらいのコストがかかっているのかを見るためだけのものであり、それ以外には使えないことを認識することが必要である。
もちろん、物流管理には使えない。
そこには管理するための手がかりが何もないからである。
つまり、物流諸活動の総称と物流コストを理解することは、企業の物流管理という世界においては有効ではないということである。
たしかに物流コストは物流活動にかかわるコストであるから、物流を構成する活動のコストの合計値ととらえることは決して間違いとはいえない。
物流活動に関するコストが企業内でどれくらいの大きさを持つものなのか、国レベルでは一体いくらになるのかという見方は現実に存在する。
その場合には、諸活動の合計値として物流コストを位置付けることは間違いではない。
今物流部門がコントロールできないものは物流コストではないそれでは、物流管理という点で物流コストはどのようにとらえるのがよいのであろうか。
当然のことながら「物流管理に使える形」で物流コストをとらえることが必要である。
それでは、使える形とは何であろうか。
使える形として考えられるのはいくつかあるが、まず有効と思われるものに「物流コストについての物流発生源と物流部門との責任区分を明確にできること」というとらえ方があると思われる。
先ほども簡単な問題提起をしたが、改めて、物流コストが発生する過程を簡単な例で見てみよう。
たとえば工場が生産効率を第一に考えて単品大量生産をしたとする。
それに伴って、当然、大量の在庫品が生まれる。
在庫品が出れば、それを保管する場所が必要になる。
その結果、保管のためのコストが発生する。
物流コストを「物流諸活動のコストの総称」と定義すれば、この保管コストは立派な物流コストである。
さて、物流コストなのだから、物流部門の責任だといわれて、物流を担当されているみなさんは納得できるであろうか。
納得できるはずもない。
保管コストのほとんどは作り方、仕入れ方で決まってしまうからである。
物流部門がそれをコントロールすることはできない。
コントロールできないコストを責任として背負い込むのは、逆に無責任の極みとなる。
なぜなら、そのコストは永遠に管理されないままに放置されることになるからである。
つまり、物流部門が責任を負えない保管コストは物流コストではないのである。
物流部門が責任を持てるのは、倉庫を適正な価格で借りることと、保管、作業という活動を効率的に行うことくらいである。
同じことは営業部門との間にもいえる。
営業が重視する物流サービスという世界においては顧客の注文どおりに商品を納品することが求められている。
ここでかかるコストに物流部門が責任を負えるかというと、もちろん責任を負うことはできない。
いくら高いコストがかかろうが、それが顧客サービス上必要だとなれば、コストを無視してもやらざるを得ないからである。
その結果、コストが上がったといって、物流部門が責められても困る。
ここでも物流部門が責任を負えるのは、物流サービスにかかわる活動をいかに効率的に行うかということだけである。
物流サービスのために物流センターがいくつ必要か、そこではどんな装備が必要か、何人の人間が必要かなどコストの大枠を決める条件はすべて営業部門が採る顧客政策によって決まってしまう。
このように見てくると、実は、物流コストの多くは物流部門では責任を負えないコストなのである。
そうなると、物流コストを物流諸活動の総称としたのでは、企業経営上問題が出る。
その意味で、物流コストは「物流部門が責任を負えるコスト」と定義づけるのが正解である。
物流コストをこのように定義すると、その範囲はかなり限定されたものになる。
もちろん、限定された範囲でいいのである。
物流は物流部門が生み出しているわけではなく、生産や仕入、営業など発生源の部門活動の結果発生しているのであり、基本的に発生させている部門が責任を負うべきものだからである。
このような物流コストについての責任の区分を行うことが物流管理においては不可欠なことである。
これをやらないで、物流コストは物流部門が何とかしなければならないコストだなどと思ってしまうと、その会社の物流コストは決して削減されることはない。
経営上の問題といったのは、このことである。
物流コスト責任を区分できる原価計算方式物流管理は、このような責任区分を原点に置いて行うことが必要である。
ただ、こういうと、「話としてはわかるが、物流コストのうち、どこまでが物流を発生させている部門の責任で、物流部門が責任を負うべきコストはどこなのかという区別が難しい。
この区分が明確にできないと、結局は物流部門が責任を負わされてしまうのでは」という危倶が出るに違いない。
まったく、そのとおりである。
たしかに、これまでの物流コスト総額を把握することを主たる目的とした算定方式では、このような責任区分を明示する算定は不可能である。
その結果、総額しかわからず、管理に使えなかったのである。
管理に使えなかったというよりも、むしろそのような使い方は初めから考えてなかったといった方が正しい。
物流ABCの登場物流ABCとは何か物流管理において物流コストはこう活用するABCは、日本語では「活動基準原価計算」と呼ばれているが、これを物流に適用したものを「物流ABC」と略称している。
この物流ABCが着と実務の世界に導入され始めているのである。
ところで、これまでの物流コスト算定方式と物流ABCとはどう違うのであろうか。
もちろんいずれも原価計算であるから原理は何も違わない。
物流ABCが特別な計算方式というわけではない。
原価計算に特別な方式など存在しない。
これまでの原価計算方式では、物流コストを三つの切り口でとらえている。
領域、機能、支払形態の三つである。
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